家邊克己

“アオリイカとの出会いは、今から三十数年前、磯釣りに励んでいた頃にさかのぼります。当時、夜明け前の待ち時間や船待ちの合間に、磯竿にナイロン3号の道糸を使い、エギをグイーングイーンとシャクって釣っていました。あの頃から存在していたエギは桐製で、アイが紐状のものでした。さらに、伸びるナイロンラインで、ロッドも柔らかいものでしたから、エギの動きは速くなく、単にエギを動かしているという感覚でしたが、それでも十分に釣果があったものです。 その後、PEラインが登場し、「エギング」という言葉と共にエギも進化していきました。桐製エギのプロデュースに携わることになったのもこの頃です。当時、四国に住んでいたこともあり、四国の海を拠点に釣り場の開拓に精力的に取り組みました。四国は四方を海に囲まれ、海域ごとに水温も異なるため、場所によっては年間を通じてキロアップのアオリイカを狙うことができました。四国中を駆け巡り、年間でキロアップのアオリイカを1000杯釣り上げることもありました。 当時は、満月の夜にはイカ釣りを、新月の夜にはアジ釣りをするという生活を送り、毎日海に出てアオリイカに関する研究を深め、その性質や特徴を学びました。その後、アジングが盛んになり、自身もメーカーを立ち上げたことでアジングに専念するようになりましたが、ボートアジングの延長でイカメタルだけは趣味半分で続けていました。食べて美味しいイカはやはり釣る楽しみがあり、イカ釣りとの関わりも四半世紀以上にわたるものとなりました。 “

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