サーティフォー創立10周年を記念してアジング専用ダウンを発売いたします。 冬季にアジングをされたことのある方なら誰しも一度は経験したことがある、吹きつける強風、体の底から凍えるような寒さ。まさに冬場のアジングは我慢比べのようなものです。アングラーはそのような環境の中でもアタリが出るまでじっと屋外で待ち続けなければなりません。そこで開発されたのが今回のダウンです。
今回のダウンはアジングという「動作の少ない釣り」に特化した作りになっています。一般的な登山などのアウトドア用のダウンでは、運動することが前提になっており、汗の水分を熱に変えたり、発生した熱を逃さないような工夫がされています。それに対してアジングではそもそも激しく動くことがありません。つまり「じっとしていても温かい」という性能が求められるわけです。ダウンの配置や使用生地を工夫することで、極寒の爆風の中でアジングを続けていても作業に集中できるだけの暖かさを実現できました。 過去に創立5周年記念のアイテムとして初代「F+down」というダウンを製作しました。今回は前作・「F+down」の開発ノウハウはそのままに、より現場目線で、よりアングラー側の立場に立って様々なアップデートを施しました。

まず、体の中でも冷えると体温が下がると言われている肩や背面部分に使っているダウンの量を前回よりも増量させています。しっかりと温めておきたい箇所にたくさんのダウンを配置することで効率的な保温効果をもたらしました。使われている羽毛は前作のF+downに使用したものと同じ「河田フェザー」製のグースダウン。三重県の工場で地下を流れる超軟水を大量に使用し、長年培った独自の技術で羽毛の細かい垢や汚れなどの不純物が取り除かれています。非常に手間暇のかかる工程を経たダウンを使用しています。また、ダウンは熟成した1羽の鳥からほんの10～20gしかとれないような羽毛を使用しており、抜群の軽量性と保温性を実現。ダウンとフェザーの比率は9：1です。ダウン素材の量や質にこだわることで、着心地抜群のかなりふんわりとしたジャケットに仕上がっています。

表面の生地も前作から変更を加えています。ポリエステル系の生地を使用しており風対策は抜群。また撥水効果もあるので釣行時に不意の雨や雪が降ったとしても多少の雨・雪なら大丈夫です。ボートや磯場の釣行で潮をかぶったとしても撥水力が高いので染み込む前に拭き取っていただければメンテナンス可能です。生地のカラーはサークル会員様からアンケートで募集して決定しました。今回はデイゲームでもナイトゲームでも視認性に優れ、コーディネートでも使いやすい「グレー」を採用しました。

フード部分は「帽子をかぶったまま釣行するアングラーが多い」というデータに基づき「ワイド設計」を採用。ゆとりを持たせ、ニット帽、キャップ、つば広帽など様々な形状の帽子をかぶっていたとしてもその上からフードを重ねてかぶりやすいような形状に調整しています。 袖の部分にも工夫をこらしており、前作のダウンになかった袖部分のジッパーを採用しました。ジッパーを設けて袖の開口を自由にしたことにより、ダウンを着たままフィッシンググローブを着脱しやすくなりました（特に弊社商品の『超高感度グローブ』のような手首部分が長くとられているグローブの着脱がよりストレスフリーになりました！）。 さらに、後部の裾部分を前作より5ｃｍほど長くしてゆとりを持たせてあります。これにより腰巻式のライフジャケットを装着したまま屈んだりしゃがんだりといった動作を行ってもライフジャケットがズレにくくなりました。

両サイドのポケットの位置も前作と比較して、位置を少し上にスライドさせました。これは家邊の釣行に同行していた際、腰巻き式のライフジャケットがポケットと干渉し、中身の取り出しがスムーズでないように見えたのがきっかけです。スマートフォンやワームケースなどよく使うアイテムを収納することが多いポケットですので、ライフジャケットを装着していても中身と干渉しない位置に調整しました。とても中身の出し入れがしやすくなっています。 センターのジッパーは「ダブルジッパー」を採用しています。上下のスライダーを好きな位置で止めることができるので、重ね着したりライフジャケットを装着したりしてもジッパーを開いて調節すれば着膨れ感を軽減することができます。逆に、ジッパーを上下までぴったりと閉めれば風の影響をよりいっそう受けなくなり、防寒性をかなり向上させることができます。少し凝ったデザインとして、ジッパーをめくると「THIRTY FOUR」の文字とメッセージが出てくるようにデザインしています。

目立つ部分のデザインでも10周年らしい工夫を加えました。肩の部分にロッドのガイドの形を模した「10周年ワッペン」を配置しました。右肩の後ろ部分には生地と同じ色の糸でサーティフォーのロゴを刺繍してあり、ひっそりとオシャレを演出しています。 私自身も取材などの同行で家邊と同じサンプルのダウンを着て日本全国様々な場所へ釣りに行くのですが、寒さのかなり厳しい冬の東北などのエリアや、爆風の吹き荒れる離島エリアなどで実際にダウンを着用して過ごしてみるとその保温性の高さに驚きました。家邊も私もこだわりだしたら止まらないタイプですので、釣行や取材のときなど少しでも違和感を感じたらすぐに改善点を突き詰めて考えてしまいます。おかげで何度も工場や設計の担当者とやりとりを重ねることになりました（笑）。フードやポケットの形状、生地やダウン素材などどの部分をピックアップしてもサーティフォーオリジナルのこだわりを感じていただけるような仕様になったと思います。

そんな新型ダウンですが、お買い求めはサーティフォーのサークル会員様向けの「オンラインショップ」にて6月中旬から承っております。10周年記念の限定受注生産のため、この機会にしか入手できないダウンとなっております。ぜひ今年の冬、厳しい寒さの中フィールドに出向く際はサーティフォーのアジングダウンをご使用されてください。よろしくお願いいたします。